周術期口腔ケア

    手術やがん治療の成功率を高め、合併症を防ぐための精密な専門口腔ケア

    「これから全身麻酔での手術を控えているが、なぜ歯科に行くように言われたのだろう」
    「がんの化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療が始まる前に、歯の治療を済ませる必要があるのはなぜか」
    「大きな病気の治療を控えて不安な中、お口の管理まで手が回らない」

    病院で大きな手術やがん治療(化学療法・放射線治療)を控えている段階で、主治医から「事前に歯科を受診して、お口のケアを済ませておいてください」と指示され、戸惑われている方は少なくありません。「なぜ今、歯医者に行く必要があるのか」という疑問を抱くのは当然のことです。

    しかし、近年の高度医療において、手術の前後に専門的なお口のケアを行う「周術期口腔機能管理(周術期口腔ケア)」は、手術の成功率を向上させ、深刻な術後合併症を予防するために欠かせない必須の医療プロセスとして位置づけられています。

    東急大井町線「等々力駅」から徒歩1分の新開歯科医院では、お口の中の細菌コントロールや噛み合わせの管理を専門とする院長が、入院・手術を控えた患者さまの周術期口腔ケアを直接担当いたします。

     

    周術期口腔ケアとは:手術前後のお口の細菌コントロール

    「周術期(しゅうじゅつき)」とは、患者さまが入院し、手術を受け、退院して回復するまでの一連の期間を指します。この期間中、歯科医師が介入してお口の中の環境を専門的に管理することを「周術期口腔機能管理」と呼びます。

    人間の口の中には、健康な人でも数百億〜数千億匹もの細菌(むし歯菌、歯周病菌、その他雑菌)が常在しています。普段は免疫力によって抑えられていますが、全身麻酔を伴う大きな手術を受けたり、抗がん剤治療によって免疫力が著しく低下したりすると、これらのお口の中の細菌が牙をむき、全身に対して深刻な感染症や合併症を引き起こす原因になります。

    周術期口腔ケアの目的は、「手術前にお口の中の細菌数を安全なレベルまで減少させ、手術中および術後の感染リスクを物理的に低減すること」にあります。これにより、患者さまが本来受けるべき医科の治療がスムーズに進行するようサポートします。

     

    なぜ必要?周術期口腔ケアがもたらす4つの重大な医療上のメリット

    術前にお口の環境を整えておくことで、手術やがん治療自体の安全性を高める具体的なメリットを解説します。

     

    術後「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」の発症率を低下させる

    全身麻酔の手術中や術後は、気管挿管(呼吸を助けるチューブを喉に通すこと)が行われたり、一時的に寝たきりの状態が続いたりするため、お口の中の唾液や細菌が誤って気管から肺へと流れ込みやすくなります(誤嚥)。術前に歯科でのクリーニングを行わず、歯石やプラーク(細菌の塊)が大量に付着した状態で手術に臨むと、極めて有害性の高い歯周病菌などが肺に到達し、人工呼吸器関連肺炎や重度な「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクが高まります。

    術前にお口の中の細菌の巣(バイオフィルムや歯石)を専門器具で除去しておくことで、万が一唾液が肺に入ってしまった場合でも、肺炎の発症率を大幅に低下させ、術後の安全な回復を促すことができます。

     

    全身麻酔時の「歯の破折・脱落」とそれによる誤飲を防ぐ

    全身麻酔をかける際、医師は患者さまの口から気管へ向けて「挿管(そうかん)チューブ」や、それを補助する金属製の器具(喉頭鏡)を挿入します。この際、前歯に強い圧力がかかることがあります。もし、グラグラしている重度の歯周病の歯があったり、今にも外れそうな不適合な詰め物・被せ物があったりすると、器具が接触した衝撃で歯が折れる、抜ける、あるいは被せ物が外れて気管や食道に落ち込んでしまう(誤飲・誤嚥)という重大なアクシデントに繋がりかねません。

    術前に院長がお口の中を診察し、動きのある危険な歯に対してあらかじめ隣の歯と仮に固定(暫間固定)を施したり、外れそうな被せ物を一時的に処置したりすることで、麻酔導入時のトラブルを未然に防ぎ、安全な手術環境を確保します。

     

    抗がん剤・放射線治療時の「重篤な口内炎(口腔粘膜炎)」を軽減する

    がんの化学療法(抗がん剤)や頭頸部への放射線治療を行うと、副作用によってお口の中の粘膜細胞がダメージを受け、広範囲にわたる激しい口内炎(口腔粘膜炎)が高確率で発生します。これに唾液の分泌低下によるお口の乾燥が加わると、痛みのあまり水を飲むことすら困難になり、食事の摂取ができなくなって全身の体力が著しく低下します。最悪の場合、口内炎からの細菌感染が原因で、がん治療自体を一時中断しなければならなくなるケースもあります。

    治療開始前にお口の中の衛生状態をリセットし、尖った歯の角を丸めておくことで、粘膜炎の発症そのものを抑える、あるいは発症しても重症化させずに軽い症状で済ませることができます。これにより、抗がん剤治療をスケジュール通りに完遂するための体力を維持しやすくなります。

     

    骨組織の壊死(薬剤関連顎骨壊死:BRONJ / MRONJ)を予防する

    乳がんや前立腺がんなどの骨転移に対する治療薬、あるいは重度の骨粗鬆症の治療薬として使用される「ビスフォスフォネート製剤(BP製剤)」や「抗RANKL抗体製剤」といったお薬(骨修飾薬)を使用している、またはこれから使用する予定がある場合、お口の中に強い炎症(重度の歯周病及や根の先の病巣)があると、あごの骨が露出して腐ってしまう「顎骨壊死(がっこつえし)」という非常に難治性の高い副反応を引き起こすことがあります。

    これらのお薬を使い始める前に、院長がレントゲン等で骨の中の病巣を徹底的にスクリーニングし、リスクとなる感染源(抜歯が必要な歯の処置など)をあらかじめ治療しておくことで、将来的な顎骨壊死の発症リスクを極めて低く抑えることができます。

     

    すべてを院長が直接管理する新開歯科医院の周術期口腔ケア体制

    周術期口腔ケアは、単なる「一般的な歯石取り」とは異なります。患者さまがこれから受ける医科の治療内容、薬の相互作用、全身状態を正確に読み解く高度な歯科医学的判断が必要となります。当院では、他院のようにケアを衛生士任せにせず、院長が責任を持ってすべての診察、リスク診断、実際のクリーニング処置、主治医(医科)への報告書作成にいたるまで一貫して行います。


    院長が直接行うことによる安心と確実性
    噛み合わせや補綴、口腔管理の知見を持つ院長が全工程を直接担当するため、患者さまの全身状態に合わせた安全な処置が可能です。

    的確なタイムマネジメント
    手術やがん治療の開始日はあらかじめ決まっており、歯科に与えられた猶予期間は限られています(多くは数日から数週間以内)。
    院長が直接診察することで、「どの歯を今処置すべきか」「どの汚れを優先して落べきか」を即座に判断し、医科のスケジュールに絶対に遅れを出さない効率的なケアプランを立案します。

    強固な地域・高次医療機関連携
    当院は、世田谷区の各種医療・健診活動に深く関わっており、大学病院や総合病院との連携体制が整っています。
    主治医の先生からお預かりした紹介状(診療情報提供書)に対し、当院での処置内容と「手術・治療を安全に行える状態であるか」を記載した報告書を迅速に作成・送付いたします。

    診療台1台だけのプライベート空間
    大きな病気を控え、精神的にも非常に不安な時期であると思います。
    当院は完全予約制の貸し切り空間ですので、周囲の雑音に惑わされることなく、現在のご病気のこと、内服されているお薬のことなどを、院長と一対一で落ち着いて確認・お話しいただけます。

     

    周術期口腔ケアの具体的なプロセス(流れ)

    手術前の限られた時間の中で、当院が実践する具体的なケアの手順です。

    • STEP 1紹介状の確認と全身状態の把握
      病院の主治医(外科、腫瘍内科など)からの紹介状を確認します。手術の日程、麻酔の方法、がん治療の薬剤名、現在の血液データ(血小板数や白血球数など、出血傾向や感染リスクに関わる数値)を院長が詳細に確認します。
    • STEP 2院長による口腔内スクリーニング(検査)
      目視による診査と、必要に応じたデジタルレントゲン撮影を行い、以下のリスク因子がないかを短時間でチェックします。
      ・動揺している歯(グラグラする歯)はないか
      ・鋭利に尖った歯や、壊れた被せ物(粘膜を傷つける原因)はないか
      ・強い歯周病の炎症や、根の先に膿が溜まっている箇所はないか
      ・合わない入れ歯による傷(潰瘍)はないか
    • STEP 3感染源の除去と応急処置
      手術時にリスクとなる部分への直接的なアプローチを行います。
      【暫間固定】
      動揺が著しい歯がある場合、挿管時の脱落を防ぐために、歯科用接着樹脂を用いて隣の健康な歯としっかりと連結・固定します。
      【鋭縁処置】
      尖っている歯の角や詰め物のエッジを専用の器具で丸め、粘膜を傷つけない形状に修正します。
      【不適合義歯の調整】
      入院中に使用する入れ歯が原因で口内炎ができないよう、入れ歯の内面や噛み合わせを微調整します。
    • STEP 4歯科医師による精密クリーニング
      院長自らが専用の超音波スケーラーや機械的清掃器具(PMTC)を使用し、お口の中の細菌の温床である歯石や、歯周ポケット内部のバイオフィルムを物理的に除去します。出血のリスクがある場合は、患者さまの血液データに基づき、愛護的かつ安全な範囲でコントロールしながら清掃を進めます。
    • STEP 5セルフケア・入院中の口腔ケア指導
      入院中、ベッドの上やご自身で行っていただく正しいブラッシング方法や、粘膜ケア(保湿ジェルの使い方など)を院長が直接レクチャーします。特につわりや手術後の体力低下時でも使いやすい粘膜ブラシや、刺激の少ない洗口液の選び方など、入院生活に即した具体的なアドバイスを行います。
    • STEP 6医科(主治医)への報告書作成
      すべての処置が完了した段階、あるいはお口の状態の評価を終えた段階で、当院から主治医へ向けて「周術期口腔機能管理報告書」を作成し、患者さまにお渡しするか、直接病院へFAX・郵送等で送付します。これにより、病院側も安心してお腹や全身の手術へ臨むことができます。

     

    まとめ:全身の手術の成功を、お口の健康から支える

    大きな病気の治療を前にして、ご不安や緊張で胸がいっぱいのこととお察しいたします。「なぜ今、歯科に行かなければならないのか」と感じるかもしれませんが、ここでお口の環境を整えておくことは、これから受ける全身の手術や抗がん剤治療を安全に乗り越え、術後の回復を早めるための非常に重要な防衛策です。

    当院では、患者さまの医科でのスケジュールを最優先に考え、補綴や口腔管理の知見を持つ院長が、タイムロスのない確実な口腔ケアを一対一で実施いたします。

    等々力駅徒歩1分のアクセスしやすい環境で、あなたが全身の治療に安心して臨めるよう、万全のサポート体制を整えてお待ちしております。紹介状をお持ちの方は、どうぞ先延ばしにせず、お早めにご予約の上ご来院ください。

     

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