歯ぎしり、食いしばり
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- STEP 1口腔内診査と症状のカウンセリング
- 問診によって、朝起きたときのあごの状態や頭痛・肩こりの有無を確認します。その後、お口の中を診査し、「歯の表面の削れ(ファセット)」「骨隆起(強い力に対抗するためにあごの骨がコブのように肥大化する現象)」「頬の内側の粘膜や舌の縁に歯の痕がついているか」など、歯ぎしりの客観的な証拠(サイン)を院長が確認します。同時に、むし歯や歯周病の有無もスクリーニングします。
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- STEP 2精密な型取り(印象採得)
- マウスピースが歯ぐきや歯にストレスなくぴったり収まるよう、精緻な型取りを行います。当院では審美修復等で用いる寸法安定性の高いシステムを応用し、歪みのないお口の模型を再現します。
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- STEP 3マウスピースの作製(硬質樹脂の採用)
- 当院では、原則として硬いプラスチック製の「ハードタイプ(硬質樹脂)」のマウスピースを作製します。ソフトタイプ(柔らかいゴム製)は一見装着感が良いように思えますが、柔らかいために無意識に「ガムを噛むように、かえって食いしばりを生じさせてしまう(クレンチングを誘発する)」特性があるため、当院では歯とあごを守る能力が高いハードタイプを推奨しています。
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- STEP 4お口の中での精密フィッティングと調整
- 完成したマウスピースを実際にお口に装着してもらい、院長が細部を調整します。装着してただ噛むだけでなく、あごを前後左右にギリギリと動かしてもらいながら、すべての動きにおいて特定の歯に過度な引っ掛かりがないか、あごの関節がスムーズに動いているかを専用の噛み合わせ用紙(カーボン紙)を用いてミクロン単位で削り調整します。このステップが、マウスピースの効果を高めるための要となります。
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- STEP 5自宅での使用と定期的なメンテナンス
- 毎晩、就寝前に装着して眠っていただきます。使用を始めてから2〜4週間後、再度ご来院いただき、マウスピースの表面のどこに削れた痕(歯ぎしりの形跡)がついているかを院長が直接確認します。強く擦れている部分があれば再度バランスを整え、お口全体の調和を保ちます。その後も、数ヶ月に1回の定期健診の際にマウスピースをご持参いただき、変形や破損がないか、すり減り具合をチェックし、必要に応じてその場で修正を行います。
マウスピースで大切な歯を守る
「朝起きたときに、あごの関節の周りや首・肩が重く凝っている」
「家族から、就寝中に強い歯ぎしりをしていると指摘された」
「日中、集中しているときに無意識に上下の歯を強く噛みしめている」
こうした日常のサインに心当たりはありませんか。歯ぎしりや食いしばりは、専門用語で「ブラキシズム」と呼ばれ、自覚がないまま多くの人が日常的に行っている生体反応です。
しかし、歯ぎしりによって歯にかかる力は、日中の通常の食事の際の数倍から十倍近く(時にはご自身の体重以上の負荷)に達することが分かっています。この過剰な圧力を放置し続けると、大切な天然歯がすり減る、割れる、あるいはせっかく入れた高額な被せ物が壊れるといった深刻なトラブルに直結します。
新開歯科医院では、失われた歯の機能や噛み合わせを専門的に修復する「補綴(ほてつ)治療」の知識を持つ院長が、歯ぎしり・食いしばりの診断と、マウスピース(ナイトガード)を用いた機能的な対策を直接担当いたします。
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)とは:お口と全身を脅かす過剰な圧力
歯ぎしりや食いしばりは、単なる「癖」として見過ごされがちですが、歯科医学的には歯やあごの骨、筋肉に重大な負担をかける疾患リスク因子として捉えされています。現代医学において、歯ぎしり・食いしばりの原因は一つには特定されていませんが、主に「精神的・身体的なストレス」「睡眠の質の低下」「噛み合わせの不調和」「飲酒や喫煙などの嗜好品」が複雑に絡み合って引き起こされると考えられています。
特にストレス社会と呼ばれる現代においては、脳がストレスを緩和・発散させるための防御反応として、就寝中に無意識に噛み締めを行っている側面が強いとされています。
放置するとどうなる?歯ぎしり・食いしばりがもたらす悪影響
自覚症状がないからと歯ぎしりを放置し続けると、時間の経過とともにお口の中や全身に以下のようなさまざまな障害が現れ始めます。
歯の摩耗(すり減り)と破折(割れ)
強い力で毎日擦り合わせることで、歯の表面にある最も硬いエナメル質が削れ、内側の象牙質が露出します。これにより、冷たいものがしみる「知覚過敏」が慢性化します。また、耐えきれなくなった歯が根元から真っ二つに割れてしまう(歯根破折)こともあり、この場合は抜歯を避けられなくなります。
詰め物・被せ物の頻繁な脱離や破損
せっかく歯科医院で精密に治療したセラミックや金、あるいは保険の詰め物が、強い横揺れの圧力によって何度も外れたり、パキッと割れたりします。これは治療の精度ではなく、歯ぎしりによる過剰な力が原因です。
歯周病の急速な悪化(外傷性咬合)
歯周病菌による炎症がある歯に対して、歯ぎしりによる強い側方圧(横に揺さぶる力)が加わると、歯を支えている骨(歯槽骨)の破壊が急速に進行します。これにより、通常よりも早く歯がグラグラし始めることになります。
顎関節症(がくかんせつしょう)の発症
あごの関節(顎関節)や、噛むための筋肉(咬筋や側頭筋)に過剰な負担がかかり続けることで、「あごを動かすとカクカク音が鳴る」「口が大きく開けられない」「あごの関節が痛む」といった顎関節症の症状を誘発します。
全身の不定愁訴(肩こり・頭痛など)
噛む筋肉は、頭の横(側頭部)や首、肩の筋肉と繋がっています。一晩中食いしばりを続けることでこれらの筋肉が過度に緊張し、慢性的な緊張型頭痛や、頑固な肩こり、首の痛み、熟睡感の欠如といった全身の不調に繋がることがあります。
新マウスピース(ナイトガード)治療
当院では、歯ぎしり・食いしばりの悪影響から患者さまの大切な歯とあごを守るため、「マウスピース(ナイトガード)療法」を主軸とした治療を行っています。
ナイトガードは、主に就寝時に上あご(または下あご)のすべての歯を覆う形で装着する、無色透明の強固なカスタムメイドのマウスピースです。
これを装着して眠ることで、以下のような具体的な医療上のメリットが得られます。
歯の身代わりとなり、摩耗や破折を直接防ぐ
上下の天然歯が直接こすり合わされるのを物理的に遮断します。
歯ぎしりによる過剰な力はマウスピースのプラスチックが吸収・摩耗するため、患者さまご自身の歯や被せ物が削れたり割れたりするのを直接防ぐことができます。
あごの関節と筋肉への負担を軽減する
マウスピースに適度な厚みを持たせることで、噛み合わせたときのあごの位置(咬合高径)がわずかに高くなります。
これにより、噛む筋肉(咬筋)が過度に収縮できなくなり、筋肉の緊張が和らぎます。
結果として、朝起きたときのあごの疲労感や肩こり、顎関節への圧迫ストレスを緩和させることができます。
噛み合わせの力を均等に分散させる
特定の歯だけに強い力が集中するのを防ぎ、すべての歯で均等に力を受け止められるようにマウスピースの表面を精密に平坦化(フラット化)します。
これにより、歯周病の悪化を防ぎ、全体の歯の寿命を延ばします。
就寝時の「音」を減少させる
歯と歯が擦れ合う際の不快な「ギリギリ」という高い音が立たなくなるため、一緒に休まれているご家族の睡眠環境を守ることにも繋がります。
市販のマウスピースとの違い:補綴専門医のこだわり
現在は、インターネットやドラッグストアで、お湯でふやかして自分で形を作る市販のマウスピースが安価で購入できます。
しかし、歯科医師の管理を受けずにこれらを使用することは、非常に高いリスクを伴います。
市販のものは適合性が低く、装着中に外れて誤飲する危険があります。また、適切な噛み合わせの調整がなされていないため、特定の歯だけに強い力がかかり、かえって歯並びが悪くなったり、顎関節症を大幅に悪化させたりする症例が後を絶ちません。
当院では、補綴と噛み合わせを専門的に研究してきた院長が、変形の少ない精密な型取り材を用いて模型を作製し、一人ひとりのお口の動きに完全に合致したマウスピースを作製します。
装着時にお口の中で「ミリ単位の噛み合わせの調整」を院長が直接行うため、あごの関節を痛めることなく、安全に使用していただけます。
マウスピース治療の具体的なプロセス
新開歯科医院でマウスピース(ナイトガード)を作製・調整する際の手順です。
すべてのステップにおいて、院長が責任を持って診察に当たります。
日常生活でできる「食いしばり」のセルフコントロール(行動療法)
歯ぎしりは就寝中の無意識の行動であるためマウスピースによる物理的な防御が必要ですが、日中の「食いしばり(噛み締め癖)」に対しては、患者さまご自身が意識して生活習慣を改善するアプローチ(認知行動療法)が有効です。
当院では、院長が直接以下のアドバイスを診察室内で行っています。
TCH(歯の接触癖:Tooth Contacting Habit)の是正
人間は、何もしていないリラックスした状態のとき、上下の歯は接触しておらず、約1mm〜3mmの隙間(安静空隙)が空いているのが正常です。
上下の歯が接触するのは、食事のときと物を飲み込む(嚥下)瞬間だけで、1日のうち合計しても20分程度と言われています。
しかし、パソコン作業やスマートフォンの操作、家事、運転などに集中しているとき、無意識に上下の歯を接触させ続けてしまう人がいます。
これをTCH(歯の接触癖)と呼びます。たとえ強い力でギュッと噛んでいなくても、弱く接触し続けるだけで、あごの筋肉は常に働き続け、疲労が蓄積してしまいます。
具体的な改善策(ポストイット法)
日中の食いしばりに気づき、それを解除するための簡単なトレーニングです。
ご自身の生活圏内(パソコンのモニター、車のダッシュボード、スマートフォンの待ち受け、洗面所の鏡など)に、目印となる小さなシールやポストイットを貼っておきます。
その目印が目に入った瞬間、自分が歯を噛み締めていないかをセルフチェックします。
もし噛み合っていたら、すぐに「ふう」と息を吐いて肩の力を抜き、上下の歯を離してあごをリラックスさせます。
これを繰り返すことで、脳が「歯を離すのが正常な状態である」と再学習し、日中の食いしばり癖が自然と減少していきます。
まとめ:あなたの歯を守る盾を作る
「歯医者はむし歯を削る場所」と考えられがちですが、実は「せっかくきれいに治した歯や、まだ健康な天然歯を、ご自身の強い力から守る場所」でもあります。
歯ぎしりや食いしばりは、ご自身が気づかないうちに進む構造破壊です。
被せ物がよく外れる、歯がしみる、あごが重いといった症状は、お口からのSOSのサインかもしれません。
補綴と噛み合わせの観点からお口全体を見つめてきた院長が、あなたのあごの動きに合わせた適切なマウスピースを直接設計・調整いたします。
当院は完全予約制の診療台1台のみの空間です。
「朝起きたときにあごが痛む」「自分の歯ぎしりの状態を詳しく見てほしい」といったパーソナルなお悩みも、他の患者さまの目を気にすることなく、ゆっくりとお話しいただけます。
大切な歯を未来へ残すための時間を用意して、ご来院を心よりお待ちしております。

